取締役会の実効性評価 Evaluation of the Effectiveness of the Board of Directors
当社は2016年より毎年、取締役会参画者(議長除く)を対象とした「取締役会の実効性」に関する調査を実施しております。
調査結果に基づき、定量評価にて「適切に行われている」というポイントが高い項目は、当社の取締役会の実効性は確保できている根拠としております。また、定性評価にて指摘・提言を受けたことや、今後のコーポレートガバナンスで強化しなければならない事項を課題・改善項目としております。
当社のコーポレートガバナンスガイドライン(以下、「CGガイドライン」)におけるコーポレートガバナンスコード(以下、「CGコード」)【補充原則4-11
3 】に基づき、2024年3月期(第107期)の取締役会の実効性に関する評価・分析を行った概要は以下の通りです。
評価・分析の手順と定量結果
以下の手順で評価・分析をおこないました。
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2024年
1月〜2月にかけて、CGガイドラインに記載したCGコード第4章(取締役会等の責務)に対応した方針等を23項目に集約し、当社の取締役会が実効的にその役割を果たしているかについて、調査票を取締役会参画者に配布し、すべての対象者より回答を得ました。
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必要に応じ、代表取締役(会長、および社長)が各取締役、監査役と意見交換をおこない、広く意見聴取をおこないました。
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上記調査票の回答および意見聴取の結果を指名委員会構成員に提供し、構成員による検討の期間と機会を確保した上で、指名委員会において、慎重審議の上、取締役会に対して答申を行いました。
- 上記指名委員会の答申を受けて、内容を理解・尊重の上、取締役会が自ら取締役会の実効性に関する評価・分析結果を確認しました。
(定量結果)
2024年3月期においては、4段階評価における最上位評価「適切」が69.1%(2023年3月期67.0%)、次位評価「課題はあるが適切」が28.3%(同29.1%)、次々位評価「課題が多く適切に行われていない」が1.3%(同2.6%)となりました。
実効性が確保できている項目
- 取締役会は、当社の企業理念体系に基づき、常務会・経営会議等での事前審議を通じて、建設的な議論により、コーポレートガバナンスポリシー・コーポレートガバナンスガイドラインを策定・適宜改定し、開示できていること。
- 取締役会は、社外取締役・社外監査役に対し、問題提起を含めた指摘・意見を求めるとともに、各取締役・監査役に対しても、積極的な発言を促すなど、自由闊達で建設的な議論・意見交換を尊ぶ気風の醸成に努めており、また、そのように運営できていること。
- 独立社外取締役・監査役(以下「独立社外者」と)は、定期的(年1回)に独立社外者のみを構成員とする意見交換会を開催するとともに、適宜、独立社外者間でコミュニケーションを図り、客観的な立場に基づく、情報交換・認識共有を行っていること。
課題・改善項目
- 自由闊達で建設的な議論・意見交換ができる環境は整っているが、取締役会を頂点とする、経営会議、常務会等の重要会議の役割と位置づけをガバナンスの観点から再点検することで、より機能的な働きが期待できる。
- 新規事業やチャレンジングな提案を受け入れる風土はあるが、この風土を活かし新製品など各種提案も収益性へのコミットメントや資本コストを意識した施策として検討し提案する姿勢を浸透させることで、さらに踏み込んだ議論が期待できる。
具体的コメント例
(実効性が確保できている項目)
- 前期と⽐較しても、社外取締役からの積極的な意⾒、提⾔が増えたと感じた。経営会議は報告だけでなく、 今後より活発な議論が起きるような場となればよいと思います。(原則4-12)
- 社外取締役と執⾏役員との座談会(⾯談)は、各部門および会社の課題把握に非常に有効である。(補充原則4-13)
(課題・改善項目)
- 取締役会を頂点とする、経営会議、常務会、事業会議などの重要会議の役割と位置づけを ガバナンスの観点から再点検する必要があると思われる。当社のコーポレート部門及びその他の機能部門がグループ経営に主体的に参画していく態勢を早急に確⽴していく必要がある。(補充原則4-1①)
- 重要な新製品・新事業、投資案件、大型契約など、重要議案については、収益性、資本コストや投資回収の考え⽅など、経営判断のベースとなる検討結果を提案内容に含めて上程されることが望ましいと思う。(原則4-2)