JAXA宇宙飛行士
若田 光一
快適な使用感を実現!
TRPチャネルの技術を応用!
アルコール過敏の方(介護など)、
様々な応用に期待!
知っていますか?
宇宙での入浴事情
1974年のスカイラブ計画では、船内でシャワーを浴びることができました。シャワールームのホースから直接からだに水を吹きかけ、余分な水をファンで吸引するというものです。
しかし、シャワー後には約1時間かけて中の水滴を全部ふき取る手間がありました。このような拭き取りの手間を考えると、決して快適とは言えず、ISSではシャワーの設置は行われていません。
ISSでは、泡が出にくいドライシャンプーを使用し、洗い終わったあとは乾いたタオルで拭き取る、また顔や体は濡れタオルで拭くといった方法で汗や汚れを拭き取っています。
そんな中、宇宙飛行士は無重力空間での生活で徐々に筋力が低下してしまうため、この筋力低下を防ぐために毎日2時間のトレーニングを行っています。トレーニング後に汗を拭うだけでは「シャワーを浴びたようなサッパリした感覚」が得られません。そもそも、リフレッシュのためにシャワーを浴びることすらできず、それが宇宙飛行士の生活課題でした。
参考:https://humans-in-space.jaxa.jp/faq/detail/000517.html
宇宙に飛ぶ!
製品紹介
ギャツビー
スペースシャワーペーパー
左:頭皮用/右:ボディ用 各10枚入
制限のある宇宙生活でも、シャワーを浴びたようなサッパリ感で全身清潔&リフレッシュ
汗・皮脂・ニオイをしっかり拭き取る頭皮用ペーパー・ボディ用ペーパー。 「ギャツビー
スペースシャワーペーパー」は、宇宙生活において「水」が希少なため、「汗を流したり心身をリフレッシュするために、シャワーを浴びることができない」という宇宙飛行士の生活課題を解決するものです。
リリース:https://www.mandom.co.jp/release/images/174/normal/pdf/2021112201.pdf
JAXAが公開した動画で、若田飛行士が生活用品を使用しています。詳しくはこちらです。
エタノールフリーでも
快適な心地よさを実現
一般的なボディペーパーではエタノールを配合することにより気化熱を利用し、肌から熱を急速に奪い清涼感を与えるメカニズムになっています。一方で、ISS内ではエタノールの使用は厳しく制限されています。そのため、従来の方法は使用できず、エタノールフリーで心地よい清涼感を実現することは困難でした。
そこでマンダムが2005年から取り組んでいるTRPチャネル研究から生まれたKai-tech技術を応用することで、エタノールフリーでも快適な心地よさを実現しました。
長年の清涼感研究が実を結んだとはいえ、製品完成までは厳しい道のりがありました…開発秘話は後日公開予定!
地上で感じる自然の匂いや
日常の香りを宇宙でも
ISSでの生活には、「地上での日常的な生活や自然を感じる機会がない」というストレスがあります。
そのため、ギャツビー
スペースシャワーペーパーでは地上で感じる自然の匂いや日常の香りを楽しめるよう設計しています。頭皮用は入浴シーンを
想起させるシャボン系の香り、ボディ用は大地の恵みを感じる果実(グレープフルーツ)の香りです。
拭き取りや清涼感などの機能だけではなく、宇宙で恋しくなるような地上の自然・日常の香りから「気持ちのリフレッシュ」をしていただくことにもこだわっています。
※画像はイメージです。
Kai-tech 技術とは
マンダムでは化粧品の機能や使用感の向上を目指して、皮膚における感覚刺激に着目。細胞の感覚センサーTRPチャネル(トリップチャネル)を用いた研究に取り組んでいます。「Kai-tech技術」は、その知見を活用し、より心地よい清涼感を徹底追求するマンダムの独自技術です。
今回、宇宙での環境下に合わせて採用しているのは、従来の「Kai-tech技術」による心地よい清涼感をベースに、アルコールが使用できない環境でも快適な清涼感を実現できる技術です。
快適な使用感のために必須の
「エタノール」。
でも、宇宙では使えない…
解決したのは
マンダムの独自技術!
ギャツビー
スペースシャワーペーパー
左:頭皮用/右:ボディ用 各10枚入
・エタノールフリー設計(エタノール0.00%※、ISS内の環境制御系(ECLSS)システムに対応)
・エタノールフリーでも心地よい清涼感を感じられ(Kai-tech技術)、たっぷりの液量でシャワーを浴びたようなサッパリ感を実現
・宇宙プロダクトデザイナー高野峯羽氏が代表を務める「CREATORS GUILD
SPACE」による、ISS内での視認性や使用性を考えたデザイン
※エタノールフリー設計(エタノール0.00%)製品中エタノール濃度49ppm以下
宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)滞在中、肌をキレイに保つためにタンニン酸(整肌成分)を配合しています。この成分の影響で、保管状態によっては稀に商品開口部付近で着色することがありますが、商品の品質上問題はありません。
そもそもISSってどんな環境で何が重要?
宇宙飛行士はISSで、日々多くのミッションをこなしています。
それを支えるためにISS内は快適に生活できる環境が保たれていますが、その秘密は船内に漂う「そよ風」です。ISS内は、まるでそよ風が吹いているように空気循環されています。これによって船内は温度が約21℃、湿度は約50%に維持され、快適に過ごせるようになっています。
しかし、この「そよ風」によるお困りごとも。空気の流れに乗って物が飛んで行ってしまったり、そのまま紛失したり…小さいものであれば口に入ってしまう恐れもあります。対策として、「面ファスナー」が使用されることが多く、これで物を自身の衣服や船内の壁にくっつけているようです。
スペースシャワーペーパーも紛失防止のため、外装に面ファスナーを張り付けられるスペースを設計しました。
また、冒頭にもあるように宇宙飛行士は日々細心の注意を払いながら多くのミッションにあたるので、常にミスを防ぎ、シンプルに判断できる細かな工夫が必要です。このペーパーは「体用」「頭皮用」とすぐに判別できる外装デザインにしています。
些細なことでも、宇宙飛行士にお役立ちしたいという思いから生まれたものです。
「身体用(FOR BODY)」
「頭皮用(FOR SCALP)」
とすぐに判別できる文字サイズに設計するとともに、宇宙飛行士のイラストで使用部位を表現しています。
どんな研究、技術を用いた?
マンダムのスペースシャワーペーパーは、宇宙での長期滞在も快適に過ごしていただけるよう、様々な技術を用いています。
宇宙ではエタノールが使えない!?
今回の開発において最も重要なポイントは「ISS内ではエタノール成分が使用できない」という点です。通常、ボディペーパーなどの製品には快適な使用感のためにエタノールの使用が欠かせません。エタノールは使用時に水と共に気化することで、肌から熱を急速に奪い清涼感を与えるという重要な機能を持っているのです。しかし、ISS内には空気の循環機能があり、その機能を正常に保つためにエタノールの使用は禁止されています。
さらに、エタノールは使用感だけでなく製品を安全に保つための成分としても重要です。宇宙に持ち込まれる日用品は、NASAへの輸送や打ち上げ時期などを考慮して、宇宙でも安全に使用するためには1年半の保存にも耐えられる設計である必要があります。
エタノール不使用でも快適に使用でき、かつ安全な保存設計が十分な製品開発をする、これが大きな課題となりました。
そこで、マンダムで長年研究しているTRPチャネルに着目しました。TRPチャネル研究から生まれたKai-tech技術は、皮膚の感覚刺激を利用し、スーっとした快適な使用感を与えるのが特長で、既に様々な商品に搭載されています。
この独自技術を応用して、快適さの実現に必須であったエタノールを極限まで抑制し、含有量0%でもスーッとした快適な使用感を具現化することに成功しました。エタノール不使用は、今後水が使えない環境(被災地など)や、エタノール過敏の方(介護など)、様々なシーンでのお役立ちにも期待できます。
マンダム史上最大の液量!ひたひたのペーパー
エタノール不使用だけでなく、中身液の含浸量を増やすことによる使用感の向上もスペースシャワーペーパーならではの技術です。
宇宙ではシャワーを浴びる代わりにペーパーを使用していただく想定のため、ボディ用は全身を、頭皮用は地肌までさっぱりとした感覚を得られるよう、しっかりと拭き取れる設計が必要です。そのため、スペースシャワーペーパーはボディペーパーと比較して約2倍近い含浸量(当社比)にしました。
一方で、液量が多いと、宇宙への出発時にかかるG(圧力)に耐えられず、液漏れしてしまうリスクもあります。このロケット打上げ時のGをかける実験も行い、打上からISSに到着するまで、液漏れや破裂をしない限界レベルまで液を増やしました。
ひたひたのペーパーは、まるでシャワーを浴びて洗ったかのような感覚を得られます。
開発担当者への
インタビュー
志水 弘典 (しみず・ひろのり)
株式会社マンダム スキンサイエンス開発研究所 副所長
フロンティア開発研究室 室長
北里大学薬学部 スキンサイエンス共同研究講座(マンダム) 特任講師
Q. 通常の製品と何が違うのですが?
一番の大きな違いは「エタノールフリー」である点です。宇宙では水溶性揮発性成分が使えないので、エタノールを使用せずに製品を開発しました。
エタノールはほとんどの化粧品に含まれています。「清涼感を与える」「防腐」などの役割がありますが、エタノールを使わずにペーパーを開発するのは新たなチャレンジでした。そこでマンダムが2005年より取り組んでいる「TRPチャネル」研究に着目しました。この研究成果を生かし、エタノールを使わずに安全性を確保しながら清涼感を出すことに成功しました。
また、宇宙仕様という点では宇宙飛行士の方が全身をしっかりと拭いていただけるよう、ペーパーの液量も非常に多いことや、無重力のISS内で製品が飛んでいってしまわないよう、面ファスナーをつける箇所を作成しているところもこの製品ならではのポイントです。
Q. 苦労したポイントは?
苦労したポイントはエタノール不使用の製品を開発することが一番でしたが、実は「液量を増やすこと」もとても苦労しました。
開発過程で宇宙飛行士のフィットチェックを受け、さまざまなフィードバックを直接もらいました。その際に「もっと液量を増やしてほしい」という要望をいただきました。しかし、その時試していただいた液量は当時の私たちが提供できる最大量だったのです。
ペーパーの液量を増やすためには、生産現場での調整が必須です。生産のスピードや生産過程で液体をロスしすぎないようにしながら、ペーパーにしっかりと液体を含浸させることは非常に大きな課題でした。現場の状況を確認するために直接工場に足を運び、現場と調整を行い、その結果、当初最大としていた含浸量からさらに増やすことに成功し、スペースシャワーペーパーは当社比で最大の含浸量になりました。
Q. 商品のこだわりポイント
開発において最もこだわったポイントはとにかく「宇宙でお風呂上がりのような爽快感を感じていただくこと」です。
宇宙飛行士の皆さんは毎日2時間のトレーニングをISS内で行っています。トレーニング後に商品を使用していただくことを想定し、ISSと同じ環境下を再現しながら研究員自身がそこで運動をして何度も使用感テストを行いました。これは数値だけではわからない、“人間の感覚”を重要視しているマンダムだからこそのこだわりです。
宇宙で実際に使用していただいている宇宙飛行士の方が、まるでお風呂上がりのような気持ちよさを感じてくださっていることに期待しています。
Q. この技術は今後地上でも役に立つ?
もちろん、役に立つと考えています。
例えば、肌が弱い方や宗教上の理由でエタノールを使用できない方でも安心して使用いただける製品開発につながる可能性もあります。衛生面での不安が多く発生する、災害時や介護などの場面にも応用できることが想定できますし、身近なところだと火気を扱うキャンプなどの場面でも、安心して使用できるものなのではないでしょうか。
宇宙でお役立ちできる技術というのは、実は地上での課題解決にもつながるということがわかりました。これからも環境に制約がある場所でこそお役立ちできる製品を開発し、未来につながるお役立ちをしていきたいです。
様々なウォンツや
時代の変化に合わせて
進化してきた
マンダムのペーパー
汗・汚れ・アブラ浮きを解消したい!
1996年発売
初代ギャツビー フェイシャルペーパー
ギャツビー フェイシャルペーパーが誕生。
この頃の調査によれば、ヤング男性の8割以上が外出時における顔の汗・汚れ・アブラ浮きを気にしていると回答。
クール感をプラスして爽快に!
2002年発売
クール感のある「アイスデオドラントボディペーパー」
2000年代からは、汚れや汗を取り除くだけでなく、ほてった身体をクールダウンしたいというウォンツが高まります。
アイスタイプのボディペーパーが登場
ニオイだって抑えたい!
2004年発売
ニオイ対応の「EXデオドラントボディペーパー」
2000年代半ばになると、ニオイに敏感な男たちが急増。
スキンケアも気にしたい!
2009年発売
モイストタイプのフェイシャルペーパー
2000年代も後半、ヤング男性はスキンケアを意識するようになり、スキンケア効果のあるフェイシャルペーパーも。
香りの好みが多様化
2012年発売
香りにこだわったボディペーパー「アイスフルーティ」
2010年代には、男性の香りに対する嗜好性が多様化し、シトラス系から甘めの香りにまで広がる。
ペーパーシリーズの“気持ちいい”をアップデート
2021年リニューアル!
ギャツビー
フェイシャルペーパーは「気持ちいい」ペーパー洗顔を追求し、香りのラインアップも拡充。ギャツビー
ボディペーパーは全品医薬部外品化で「より清潔になる」ことを追求し、新しい香りも加えたラインアップに。
そしてついに宇宙へ
2022年、宇宙で使用できるギャツビー スペースシャワーペーパー(頭皮用・ボディ用)を開発。宇宙飛行士へ「気持ちいい」を宇宙でも。
宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)滞在中、肌をキレイに保つためにタンニン酸(整肌成分)を配合しています。この成分の影響で、保管状態によっては稀に商品開口部付近で着色することがありますが、商品の品質上問題はありません。