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インサイドロック技術-Inside Lock- インサイドロック技術-Inside Lock-

ヒミツは髪の内部にありました ヒミツは髪の内部にありました ヒミツは髪の内部にありました

ヘアスタイリング剤 永遠の課題!? 自然な仕上がり
+
一日中、崩れないキープ力

ジェルやワックス、フォームなど
ヘアスタイリング剤は多種多様にあります。
しかし、どれも毛髪の外側から成分を付着させて
整髪するため、
素髪のように自然なツヤ感を
残しつつヘアスタイルを保つことはとても困難。
「自然な仕上がり」と「高いキープ力」の両立は
ヘアスタイリング剤の永遠の課題でした。

そもそもこれまでの整髪技術は・・・

毛髪の外部からスタイリングする方法 従来の整髪技術(毛髪の外側から作用)

ポリマーの場合/ワックスの場合

セットポリマーやワックスなどを毛髪の外部につけ、
毛髪同士を固めたり、くっつけたりして
ヘアスタイルをキープしています。

そしてヘアスタイルキープの大敵

『湿度』

なぜなら 髪の動きは…

  • 1毛髪内部の状態 1毛髪内部の状態
  • 2毛髪内部の状態 2毛髪内部の状態
  • 3 3

これまでの整髪技術の悩み

キープ力を向上させるために成分量を増やすと、
ヘアスタイリング剤特有のツヤ感もアップしてしまう。

自然な感じに仕上がらない…

そこで 発想の転換!

毛髪内部に成分を浸透させて
髪の動きをロックできれば、
「自然な仕上がり」
「湿度に負けないキープ力」
実現できるのでは?

そこで発想の転換!

毛髪内部からスタイリングする それがインサイドロック技術です 毛髪内部からスタイリングする それがインサイドロック技術です

インサイドロック技術とは従来とは異なる
「毛髪内部」へのアプローチなのです!!

インサイドロック技術の仕組み

湿気に強い「イオン結合」を
毛髪内部で形成

イオン結合を形成した際の毛髪内のイメージ図

髪に動きをつける毛髪内部のタンパク質を、湿気に強い「イオン結合」でつなぎます。

二塩基酸と毛髪タンパク質の結合イメージ図

イオン結合を可能にするのが両末端にイオン化部位を持つ「二塩基酸」。

イオン結合をつくる成分
「α-ケトグルタル酸」を発見!

さまざまな二塩基酸を検討して見つけたのが、
「α-ケトグルタル酸」。

α-ケトグルタル酸が毛髪の内部に浸透してイオン結合を形成します。
新開発
α-ケトグルタル酸を用いたインサイドロック技術により
自然な仕上がり + 一日中、崩れないキープ力の両立を可能にしました。

なぜ可能にできたのか?さらにくわしくご説明します!
インサイドロック技術4つ
ポイント

POINT1
毛髪の中心まで成分が浸透

インサイドロック技術の成分α-ケトグルタル酸をつけて処理した毛髪と、何も処理していない毛髪の断面を比較。α-ケトグルタル酸が毛髪の中心部まで浸透しているのを確認できました。

α-ケトグルタル酸の毛髪への浸透性

インサイドロック技術の成分α-ケトグルタル酸をつけて処理した毛髪と、何も処理していない毛髪の断面を比較。α-ケトグルタル酸が毛髪の中心部まで浸透しているのを確認できました。

試験方法
α-ケトグルタル酸溶液を2時間浸漬させた毛髪の断面上をラマン分光法にて、α-ケトグルタル酸の固有ピークである1739cm-1でマッピング。

POINT2
高湿度下でも毛髪内部で結合し、
維持する

毛髪内部に浸透したα-ケトグルタル酸が毛髪タンパク質と結合を形成しているか、
インサイドロック技術を共同研究した京都大学にて物質をミクロサイズで構造解析できる
「SAXS(X 線小角散乱法)」を用いて検証。

SAXSで測定できること(イメージ)

SAXSで測定できること(イメージ) SAXSで測定できること(イメージ)

SAXS(X線小角散乱法)では、毛髪にX線を照射して毛髪内でタンパク質が結合(規則的に整列)していることを散乱光の強度で計測。
散乱角度から、毛髪内部のどの物質と作用しているのかも把握できます。
上のグラフのように散乱光の強度が大きいと毛髪タンパク質が規則正しく並び、毛髪内部で結合していることがわかります。

測定結果

高湿度下に保管した際の散乱強度

高湿度下に保管した際の散乱強度

高湿度下において、精製水処理の毛髪は内部のマトリックスタンパク質の構造の規則性が乱れているのに対し、α-ケトグルタル酸を浸透させた毛髪はマトリックスタンパク質が規則的に並び、その構造が保持されていました。

試験方法
毛髪をα-ケトグルタル酸0.5%溶液、または精製水に2時間浸漬させ、その後乾燥させてから、SAXS装置にセットし、40℃のお湯を入れた密閉セル中で測定を実施。

高湿度下でのマトリックスタンパク質の規則構造
(測定結果を踏まえてのイメージ図)

高湿度下でのマトリックスタンパク質の規則構造(測定結果を踏まえてのイメージ図)
つまり
α-ケトグルタル酸は毛髪内部でマトリックスタンパク質と結合し、湿度によって変化しない強固な構造を形成していることがわかったのです。

POINT3
高い耐湿性でキープ力を向上

耐湿性を検証するため、湿気による影響を受けた髪が形状をどの程度キープできるのか測定しました。

その結果、α-ケトグルタル酸で処理した毛束は湿度に強いことを確認しました。

高湿度下に保管した際のカール伸び抑制率

高湿度下に保管した際のカール伸び抑制率
試験方法
各成分0.5%水溶液を(未処理は水のみ)を30cm毛束に2時間浸漬させ、ロッドに巻きつけ、室温25℃湿度60%で1日乾燥させる。その後、ロッドを外してから室温25℃湿度80%で2時間放置し、経時的な毛束の長さを測定。
※A=B:処理する前の毛束の長さ(cm)ーC:各測定タイミングでの毛束の長さ(cm) 試験方法

通常では、毛髪が湿気を吸うと内部の水素結合が切れてカールが伸びます。
しかし、α-ケトグルタル酸を処理した毛束はカールの伸び抑制率が高く、キープ力が向上しています。

POINT4
素髪のように自然な質感を実現

“ヘアスタイリング剤をつけている感”のない、自然な質感に仕上がっているのかを評価するため、
α-ケトグルタル酸、精製水、自社ヘアジェル、自社ヘアワックスをそれぞれ毛束につけて
毛髪表面のツヤ感を比較しました。

毛髪にサンプルを塗布した際のツヤ評価結果

試験方法
20cm平毛束に各中身を0.4g塗布し、馴染ませてから自然乾燥させ、その外観を観察。

セットポリマーやワックスをつけた毛束はツヤ感が大きく表れました。しかし、α-ケトグルタル酸を処理した毛束は精製水のみで処理したものと同じようなツヤ感で、自然な質感に仕上がっています。

まとめ

  • POINT1毛髪の中心まで成分が浸透

  • POINT2毛髪内部で結合し維持

  • POINT3高い耐湿性でキープ力を向上

  • POINT4自然な質感を実現

インサイドロック技術は
永遠の課題と思われた4つのポイントを実現した
「自然に仕上がるのに、しっかりキープできる」
整髪技術です。

新たに開発された整髪技術はヘアスタイルをより自由に、より楽しくしてくれることでしょう。
この楽しみをもっともっと進化させるため、マンダムはまだまだ研究を続けます!

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