サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ) Important Sustainability Issues (Materiality)

重要課題1 気軽に楽しめるおしゃれ文化の創造

コミットメント

「健康」「清潔」「美」の根底に、気軽に楽しむという「楽」軸を配した独自の「健清美楽」の概念を持ち、唯一無二のユニークな商品やサービスを提案することでときめきや晴れやかな気持ちを与え、多様な価値観を持つ生活者のなりたい自分を実現します。

私たちマンダムは、生活者の日々の生活の中から生まれたコンセプトを、「人間系」の考えを通じて常に本物の価値として提案することでお役立ちする会社でありたいと考えております。

お役立ちには、一人の生活者に対してどれだけ多く満足していただけるかの『深さ』と、一人でも多くの生活者に満足していただけるかの『広さ』の2つの側面があり、先行きが不透明で複雑性の増した「VUCAの時代」において、生活者のニーズ・ウォンツが多様化していく中で、ニーズ・ウォンツに適合した唯一無二のユニークな商品・サービスを提案することは、お役立ちの『深さ』を拡大することであり、より多くの生活者のウェルビーイングの実現につながり、マンダムが持続的に成長することにつながると考えています。

関連するSDGs

1 貧困をなくそう3 すべての人に健康と福祉を5 ジェンダー平等を実現しよう9 産業と技術革新の基盤をつくろう10 人や国の不平等をなくそう17 パートナーシップで目標を達成しよう

取り組み

多様化する生活者ウォンツ対応に向けた独自の研究​

デオドラント技術 バルセロナで表彰​

マンダムグループでは、「頭髪・頭皮」「皮膚」に加え、近年関心が高まっている「体臭・制汗」の3つの分野に特に注力し、研究開発を行っています。 「頭髪・頭皮」「皮膚」「体臭・制汗」はいずれも人種、性別、年齢、生活習慣、気候、風土の違いから、人によってさまざまです。 それぞれの人に異なる状態があるように、一人ひとりに固有の生活者ウォンツが存在しています。マンダムは、より多くの生活者ウォンツに応えるため、人体の構造・機能・メカニズムの解明からウォンツに応える成分の発見や商品への応用まで、幅広い領域で研究開発を進めています。

マンダムと大阪大学の共同研究において、ヒトのエクリン汗腺が汗をかくときに収縮する分子メカニズムを明らかにし、そのメカニズムを抑える成分を見出しました。 さらに、その成分がヒトの体温が上がる時の発汗だけでなく、緊張した時に起きる発汗も抑制することも明らかにしました。 本内容は、2023年9月4日~7日に、スペイン・バルセロナで開催された「第33回国際化粧品技術者会連盟バルセロナ大会2023」で発表し、ポスター部門「最優秀賞」を受賞しました。

近年、世界規模で平均気温が上昇していることもあり、過剰な発汗は発汗機能の障害を持つ多汗症患者だけでなく、発汗障害のない生活者にとっても不快に感じるものになり、QOLの低下に繋がっています。 今回の研究結果を応用し、様々な生活シーンで汗が出てお困りの生活者へのお役立ちのため、根本から汗を抑える新たな機能を有した制汗剤をお届けしたいと考えています。

研究成果のポイント

  • ◆ヒトが汗をかく際、どのようなメカニズムで汗腺が収縮しているかを解明​
  • ◆汗腺の収縮に必要な筋上皮細胞にギャップジャンクション※1を構成するコネキシン※2が多く存在すること、発汗時の汗腺の収縮にはそのギャップジャンクションが大きく関与していることを発見
  • ◆ギャップジャンクションの機能を止める阻害剤やその類縁体のグリチルリチン酸モノアンモニウム(GMA)※3がヒトの温熱性発汗や精神性発汗を抑制することを発見​​

用語解説および注釈

※1

ギャップジャンクション​​
隣り合う細胞と細胞をつなぎ、水溶性の小さい​​
イオンや電気的信号を通過させる細胞間結合のこと​

※2

コネキシン​
ギャップジャンクションを構成するタンパク質のこと​

※3

グリチルリチン酸モノアンモニウム(GMA)​
生薬の一つである甘草から抽出される成分​

身近で愛されるヘアビューティコスメブランド「ルシードエル」。ヘアケアカテゴリーへの挑戦とサロントレンドのマス化

サロン発「酸熱トリートメント」

近年、ヘアカラーやアイロン・コテ等の熱器具などによるハイダメージやより美しい髪への高まりを背景に、「髪質改善トリートメント」などとして謳われヘアサロンの施術メニューとして人気となっているのが、「酸熱トリートメント」です。「酸熱トリートメント」は施術過程でヘアアイロンによる熱処理も必要となり、技術者による施術が必要で、価格も一般的に1万円を超えるメニューです。比較的高価格のメニューながら高い効果実感で人気となっています。

ホームケアとしての商品化へ挑戦

そこで2022年8月、酸熱トリートメント成分※を配合したサロン技術発想の「ルシードエル 質感再整トリートメントシリーズ」を発売しました。ヘアサロン向けのプロユース商品と技術を提供するグループ会社を持ち、また長年の頭髪研究の強みを活かし、自宅でも簡単に安心して使え、高い使用実感の得られる処方を開発。酸熱トリートメントに必要な熱は、普段髪を乾かす際に使用するヘアドライヤーやスタイリング時に使用するヘアアイロンの熱を利用し、日常のヘアケア、ヘアスタイリングの中で気軽に酸熱トリートメントを体感できるアイテムとして提案しました。

レブリン酸

マス流通で初の酸熱トリートメントを提案

ヘアサロンで人気の酸熱トリートメントを自宅で手軽にできるというこれまでにない新たな提案に、発売前より小売店からの期待も高く、搬入店舗は計画を大きく上回りました。発売後は流行感度の高い生活者からも高い注目と評価を獲得し、SNSでも話題となりました。
「酸熱トリートメント」の認知もまだまだ拡大しており、今後市場としてもさらなる成長が期待されます。
一方アジア圏においても美髪意識は高く、グループ会社でいち早く展開を開始した台湾でも好調に推移しており、展開エリアはさらに拡大予定です。
また2023年8月にはシャンプーとトリートメントを追加発売し、ラインアップの拡充を行い、ルシードエルとして初めて本格的なインバスシリーズとしての提案に取り組んでおります。

ルシードエルのさらなる成長へ向けて

コロナ禍でも影響が少なく好調に推移したアルガンオイル配合のオイルトリートメントシリーズに加え、2022年に新たに発売した酸熱トリートメント成分配合の質感再整トリートメントシリーズの貢献により、ルシードエルは2023年3月期に過去最高売上高を達成しました。
今後も先端トレンドをスピーディに、より多くの人が手に取りやすく使いやすく提案し、新たな市場創造とともにお役立ちの拡大に取り組んでいきます。