サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ) Important Sustainability Issues (Materiality)
重要課題2 多様な生活者へのお役立ち拡大
コミットメント
変化する生活者の多様な消費行動に対し常に臨機応変に対応し、生活者満足につながる商品・サービスが目に触れやすい、選択しやすい環境を整え、グローバル10億人にお役立ちします。
お役立ちには、一人の生活者に対してどれだけ多く満足していただけるかの『深さ』と、一人でも多くの生活者に満足していただけるかの『広さ』の2つの側面があります。
一人でも多くの生活者のお役立ちとして、ブランド・コミュニケーション・カテゴリーといった『深さ』と合わせて、一人でも多くの生活者に満足していただくために流通・エリアの『広さ』を追求し、強い絆を創り続けることができるグローバルカンパニーを目指します。
私たちマンダムは、予測される市場環境変化を見据えながら、独自性のある新たな価値を創造し、商品、コミュニケーション、流通を通じて、その価値を生活者に提供し続けられる仕組みを構築し、『オンリーワンの強みを持ったグローバル10億人へのお役立ち』を目指してまいります。
関連するSDGs
取り組み
流通網拡張に向けた取り組み
「丹頂チック」の進化と挑戦 ~91年の歴史を持つ伝統製品が新市場で花開く~
マンダムは、1933年に日本初の植物性チック「丹頂チック」を発売し、その品質とラベンダーの香りで市場を席巻しました。 発売翌年には市場シェア9割を占めるほど異例のヒットとなりました。
丹頂チックの勢いは国内に留まらず、1958年にはフィリピンに技術提携会社丹頂コーポレーションが設立され、丹頂チックの現地生産を開始しました。 この工場は、戦後の化粧品業界として初の海外進出となり、当社にとっても業界にとっても発展への大きな一歩となりました。
時は経て、2022年、アメリカのセレブリティーが “Slick Back Bun”と呼ばれるタイトなお団子ヘアを作る際に丹頂チックを愛用していることが、SNSで話題となりました。
アメリカへの既存品輸出には原料面の課題があり、当社からの輸出ができていない状況でしたが、需要が見込めることから長年販売の可能性を模索していました。 何より、興味を持って下さった生活者の方々へより魅力的な形で商品をお届けしたいという想いから、アメリカで「丹頂チック さくらの香り」を2023年11月に発売しました。
香りには上品で清楚な「さくらの香り」を採用。アメリカでは女性の使用率が高いことから、歴史ある鶴のデザインや「丹頂」の文字に「桜柄」を加え、中味も「さくら色」にし、愛らしい仕上がりとなっています。 また、オンスでの容量記載などアメリカ仕様も追求しています。
誕生から91年、今もなお丹頂チックは新たなお役立ちを目指しています。
インドネシアにおける低所得者層へのお役立ち
生活者発・生活者着の商品開発
マンダムでは、どの国に行っても、その国その国の「生活者へのお役立ち」を念頭におき、生活者発・生活者着の商品開発を行なっています。インドネシアにおいてもそれは変わることなく、現地の生活者のニーズ・ウォンツに応え続けた結果、グループ内で最も幅広く、多彩な商品ラインナップを持つようになりました。
日本では500ml 100円の商品を1000mlで160円にすればコストパフォーマンスが良い1000mlの商品が受け入れられやすいですが、インドネシアでは250ml 70円の商品が求められやすい傾向にあります。商品に掛けられる絶対金額が小さいため、一度に出す金額が少ないほうが受け入れられやすいです。ウォーターグロスの場合、5g入り×2連のサチェットは1,300ルピア、日本円にして約13円で販売しています。(1ルピア=0.0096円として換算)
例えば、男性用では、「ギャツビー」のポマードやウォーターグロスなどヘアスタイリング剤のサチェット(小袋)商品、女性用では、インドネシアの人気メイクアップブランドの一つである「ピクシー」ブランドからそのままでも使用できるようにパフを同梱したツーウェイケーキのレフィル(つめかえ)などを製造・販売しており、現地のBOP層や地方エリアなど幅広い生活者に受け入れられています。 こうしたBOP市場むけの商品は、生産国のインドネシアのみでなく、フィリピンやインドシナエリア、遠くは西南アジアやアフリカなどにも輸出しており、現地のBOP層の生活者へのお役立ちのみでなく、現地の化粧品市場や流通網の拡大にも貢献することを目指しています。
■サイズバリエーションの考え方
■ウォーターグロスのサイズバリエーション
強固な流通網
インドネシアは、1万5千以上の島々で構成されている島国です。その島々に商品を行き渡らせるのは困難ですが、マンダムでは強力な流通パートナーとの協働により、ほぼ全域にわたって商品を流通させることができています。実際、各諸島ごとの人口構成比と国内売上高の構成比を比較すると、ほぼ一致しています。
都市部にある近代的なカルフールのような大型店舗から、小さな島にある「ワルン」と呼ばれる伝統的な零細小売店に至るまで、商品を流通させることのできる流通網を構築できたことが、インドネシアにおける飛躍の原動力となっています。