自律協働型ワークスタイル Autonomous and Collaborative Workstyle

自律協働型ワークスタイルの考え方

社会環境が大きく変化する中、マンダムグループが新価値創造を通じてお役立ちし続けるためには、社員の働く環境や働き方(ワークスタイル)に関しても、時代の変化に合わせてアップデートしていく必要があると考えています。マンダムグループでは、このワークスタイルに必要となる要素として、次の2点を特に重要視しています。

自律 社員が「自分自身の働き方や人生全体を豊かにしていくための労働」を自律的に考え実践し、会社はそれに伴走する
協働(コラボレーション) 社員の個性と強みを最大限に引き出し、多彩な知の融合(知的にぎわい)によって様々なイノベーションを創出しやすい環境づくりを推進する

この2つの観点に基づき、マンダムグループでは「社内外の『知的にぎわい』を最大化する自律協働型ワークスタイルの実践」をキーコンセプトとして掲げ、このコンセプトのもと、社員一人ひとりが自律的な考働を通じて高いパフォーマンスを発揮し(自律)、これらの多彩な個性や強みを持つ社員がコラボレーション(協働)することで、社員のやりがいが向上し、同時に多彩な知の融合(知的にぎわい)を通じたイノベーションの創出によって、新価値創造(Co-Creation)を実現することができると考えています。

自律協働型ワークスタイルの推進に向けた4観点

「社内外の『知的にぎわい』を最大化する自律協働型ワークスタイルの実践」に向けて、マンダムグループでは特に次の4つの観点に基づき取り組みを推進しています。

働く時間 社員同士のコラボレーション(協働)を前提に、社員が自身の健康やプライベートの充実・キャリアアップ等に費やす時間を確保するため、自律的にメリハリのある勤務ができるような「働く時間」の実現を目指す
働く場所 ・会社(オフィス)は、「社員同士の知の集う場」・「コラボレーション(協働)のための中心の場」としての「象徴」となることを目指す
・心理的安全性が担保された環境下で、個人事由による勤務場所の制約がなく、能力を発揮しやすい環境で働ける状態を目指す
社員の関係性 相互尊重を前提に、キャリア形成・人脈形成や自己研鑽等、社員一人ひとりのありたい姿の実現に向けて、多彩な知の集合(有機的なつながり)として相互にとって有益な関係性となることを目指す
風土醸成 社員が自ら、マンダムグループで働く内発的な動機や意義を見出し、モチベーション高くやりがいを持って働くことができている状態を目指す

自律協働型ワークスタイルの主な取り組み

働く時間

中抜け可のフルフレックス勤務

マンダムではフレックスタイム制を導入しています。これにより、勤務時間の融通性を高め、社員の健康や学びへの投資時間を確保しやすくすることで、自律的にメリハリのある勤務を可能とする労働環境を整備しています。
また2020年度以降では、コアタイムを廃止したフルフレックス勤務制度へ変更するとともに、業務開始・終了の時間だけでなく業務時間中においてもフレキシブルに働くことができる「中抜け」を認めるなど、より社員が活用しやすい制度になるよう改良を続けています。

「働く時間」に関するその他制度・取り組み

配偶者の海外転勤同行制度 配偶者(他社含む)が海外勤務・修学などで、海外に6か月以上滞在し、社員がそれに同行する場合、3年以内の休職を認めています。 2023年度制度利用者:なし
特別事情による休職 社員の不妊治療や子供の不登校など、会社が認めたいくつかの特別事情については、6か月以内での休職を認めています。 2023年度制度利用者:なし

働く場所

社員同士のコラボレーションを促進するオフィスづくり

マンダムでは、各拠点のオフィスを「社員同士の知の集う場」・「コラボレーションのための中心の場」と捉えています。 そのため各部門の機能や役割に応じて、「社員のクリエイティブな感性を養うことができるオフィス」、「多様性(ダイバーシティ)やグローバルをイメージしたオフィス」といったコンセプトを設定し、これらに基づいたオフィスフロアを具現化することで、社員が働きやすく、かつ社員同士の積極的なコミュニケーションを通じて新しいアイデアが創出しやすくなるようなオフィスづくりを推進しています。

本社7階オフィス

青山オフィス

本社社員食堂

本社3階 M-circle

「働く場所」に関するその他制度・取り組み

在宅勤務制度 多様な社員一人ひとりが働きやすく、また、能力を最大限に発揮できる働きがいのある職場環境づくりを目指し、在宅勤務制度を運用しています。2020年度より対象者の拡大、利用回数の上限撤廃、在宅勤務手当の支給を開始しました。 対象者:一部の職種を除く全社員
遠隔地勤務 社員一人ひとりが高い専門性を持つ「プロフェッショナル人財」を目指すにあたり、従来のような転居を伴う異動(転勤)は時代にそぐわないものになってきました。そのため、勤務地に関係なく専門性を高め、社員が自ら目指すキャリアを実現できる環境を整備する目的から、2022年度から遠隔地勤務を開始し、徐々に対象者を拡大しています。 対象者:一部の職種を除く全社員
2023年度適用者数:6名

社員の関係性

社内クラブ活動

マンダムでは、社員同士のコミュニケーション強化や社員の健康維持・増進を目的として、社内のクラブ活動を推奨しています。 このクラブ活動を通じて、同じ趣味や嗜好を持った社員同士が集まり、部署間を超えたコミュニティを創造することで社内の知的にぎわいを創造し、社員同士のコミュニケーションの活性化・深化を図っています。

自由談話会

社内クラブ活動に加えて、各事業拠点における社員同士のコミュニケーション活性化を目的とした自由談話会も実施しています。 事業所内の様々な社員との交流や、新たな社内ネットワークの形成を通じて、社員同士の業務連携の円滑化を促進することで、社内の更なるコラボレーションを生み出すための基盤形成を目指しています。

社内コミュニケーション促進に関するその他取り組み

社内SNS 「全員参画経営」を具現化するための仕組みとして1984年に生まれた「情報カードシステム」は、全社員が日々の業務や日常生活の中で得た情報をカードに記載し提出する仕組みであり、年間約3.5万枚が提出されていました。こうした情報をより積極的に活用するために、2014年度よりSNSを活用した新しいコミュニケーションシステムに移行し、組織の枠をこえた情報共有・活用が始まりました。今後も機能を拡張し、全員参画の実践を図ります。 対象者:一部の職種を除く全社員
みんなでe-提案 「組織の枠を超えたコラボレーション(課題解決)による創造性・生産性を高める全員参画の実践」を目的に、社員が部門を超えて他部門へ提案できる制度です。全員が経営者になったつもりで経営に関心を持ち、現場の意見や情報をボトムアップ型で発信します。社員発の提案と部門長からのフィードバック、双方によるコミュニケーションやコラボレーションを実施することで、理念に掲げる全員参画の実践を図っています。 対象者:全社員
みんなでe-アイデア 社員が生活者へのお役立ちに繋がるアイデアをいつでも気軽に提案でき、直接マーケティング領域に届ける社内コミュニケーション制度です。「全社からの生活者への商品・サービスを通じたお役立ち関連のアイデア提案の実践」を目的とし、社員各々が抱いている多くのアイデアを活かすことで、「みんなでe-提案」と同様に、企業理念である全員参画の実践を図っていきます。 対象者:全社員
福崎工場 KAIZEN提案制度 福崎工場内の1名あるいは少数名で身近な業務の問題を改善していくことを目的とした制度です。社員の積極的な業務改善を奨励し、その創意工夫を結集して、安心安全な職場、品質の維持向上、環境負荷低減、業務の効率化、生産性の向上に全員参画で取り組んでいます。また改善にあたっては、上司とのコミュニケーションツールとしての役割も果たしています。
※4S:整理、整頓、清掃、清潔
対象者:福崎工場全社員

風土醸成

ジョブ型人事制度の導入

マンダムでは2023年度より、ジョブ(役割)を起点とした新たな人事制度を導入しています。 これにより、社員一人ひとりの役割に求められる職責やスキルを明確化し、専門性の向上と成長を促進するとともに、年功序列ではなく「適所適財」の考え方に基づき、各ポジションに求められる要件に適した役職任用や昇格・人財配置を行うことで、社員一人ひとりが職務のやりがいを感じられる仕組みとしています。

取り組み成果として、導入初年度である2023年度においては、旧人事制度と比較した際にプレーヤー層の最上位等級における昇格者平均年齢が約5歳低下したことから、年齢や経験年数に依存せず、成果に応じた公平公正な処遇を通じてスピーディな昇格を実現することで、社員がより一層やりがいを感じることができる仕組みを整備することができています。

ジョブ型人事制度、およびその前提となる「ジョブ×自律を起点とした人事の仕組み改革 (MHRX)」の詳細については、「タレントマネジメント・人財育成」のページをご確認ください。

組織階層のフラット化と権限委譲の推進

マンダムでは、長年にわたる事業規模の拡大やそれによる従業員数の増加に伴って、組織階層の重層化が進行し、結果として意思決定スピードが鈍化するとともに、各職務階層の職務権限や自由裁量が縮小傾向にありました。 しかし、これからの変化の激しい時代の中、マンダムが更なるお役立ちの拡大に向けてイノベーションを継続的に生み出すためには、 重層化した組織をスリム化し、スピーディな意思決定ができる体制を整えるとともに、下位組織への権限委譲を通じて、社員一人ひとりが自律的に職務を遂行し、様々なことにチャレンジできる環境づくりが必要不可欠であると考えています。

そのためマンダムでは、2023年度の新人事制度の導入に合わせ、職務記述書を通じた各部署の役割の明確化とともに、 これに基づく組織体制の見直しによる組織構造のフラット化を行い、 同時に下位組織への権限委譲を積極的に推進することで、社員一人ひとりが自身の役割を認識し、自律的に考え積極的にチャレンジできる体制を整備しました。

この取り組みの結果として、2023年度は管理職ポジション数が142から121に減少したことで組織のフラット化を実現できたとともに、 社内の決裁範囲の見直しを通じて、よりスピーディな意思決定とチャレンジできる範囲の拡大に寄与することができました。
今後も引き続き、社員一人ひとりがより様々なことにチャレンジし、スピーディにそれらを実現できる環境と風土づくりに向けて取り組んでいきます。