健康経営 Well-Being Management

健康経営の考え方

マンダムグループが新価値創造を実現するためには、多彩な個性と強みを持つ人財の育成・獲得だけではなく、これら人財が最大限に活躍できる環境整備が必要不可欠です。 そしてその中でも、社員の精神的・身体的・社会的な健康(ウェルビーイング)が新価値創造において特に重要であると考えています。 そのためマンダムグループでは、社員の健康に関わる不安を取り除き、豊かで充実した職場環境を作り出す一連の取組みをマンダムグループの「健康経営」と定義し、社員のウェルビーイングの実現に向けた健康経営を推進します。

健康経営基本方針

わたしたちマンダムグループは、「グループ人財理念~個と会社のHAPPYの実現を目指して~」を念頭に、会社で働く多様な人財が活力に満ち溢れ、個々のパフォーマンスが充分に発揮できるようになるには、社員・家族の安全安心が会社の経営基盤であると考えております。そのため、安全衛生および健康が確保された環境下において、身体的、精神的、社会的に豊かで良好な状態で過ごせる職場づくりを通じて、社員の仕事や生活が充実することを目指し、「健康経営」を人財への未来投資と捉え、人的資本経営の一環としてウェルビーイング実現への道のり(ウェルネスSTEP)を進んでいきます。

健康経営の推進ステップ(ウェルネスSTEP)

マンダムグループでは、健康経営の取組みを、健康の基盤づくりから生活者へのお役立ち、企業の新価値創造に向けた道のりとして5段階のステップに区分しています。このステップを通じて、社員一人ひとりのエンゲージメントを高め、ウェルビーイングの実現と、会社の業績・企業価値向上を目指していきます。

ウェルネスSTEPの5段階

参考: 「未来を築く、健康経営」 NPO法人 健康経営研究会 2021年7月19日

健康経営推進体制

マンダムグループでは、グループ全体の健康経営を推進する統括責任者として社長執行役員(グループCEO)を据え、日本と海外各社が連携しながらグループ視点での健康経営に向けた取り組みを推進できる体制基盤を構築しています。

またマンダムでは、2023年6月に「健康経営の型づくりと成果創出のためのソリューションの共創および産業界への実装」を目的として設立された「健康経営アライアンス」に加盟し、参画企業の取組共有を通じて健康経営の型と成果の共創を目指す活動をスタートさせました。これにより、健康経営に関する参画企業の先行事例や最新情報をいち早くキャッチし、他企業ともスピーディに連携できる環境を構築しています。

マンダムグループの健康経営推進体制図

マンダムにおける健康経営戦略マップ

マンダムでは、健康経営の推進に向けて、以下の取り組みを通じてウェルネスの実現とお役立ちの継続に取り組むことで、個と会社のHAPPYの実現を目指しています。

以下の表はクリックで拡大します

各ウェルネスSTEPの考え方と取り組み

■ウェルネスSTEP1:労働安全衛生

STEP1では、法令順守に基づく労働安全衛生活動をベースとした取り組みを通じて、社員の身体・精神両面に対する健康と安全を確保し、社員の健康状態を改善する環境が築かれた状態を目指しており、マンダムでは次のような取り組みを行っています。

労働安全衛生委員会の設置

マンダムでは、労働基準法、労働安全衛生法、および労働安全衛生規則に基づき、労働災害の防止に関する総合的、計画的な対策を推進することにより、 職場における従業員の安全と健康を確保し、さらに進んで快適な職場環境の形成を促進したいと、日々、取り組んでいます。 その実現にむけた取り組みを推進させるため、人事総務部を統括する執行役員が委員長を務める労働安全衛生委員会を設置し、労働安全衛生管理体制の強化に努めています。

工場での安全で衛生的な職場の環境づくり

福崎工場では、国際的に広く採用されている労働安全衛生マネジメントシステムに関する規格である「ISO45001」を認証取得し、安全で衛生的な職場の環境づくりに努めています。 「ISO45001」は、組織の労働安全衛生方針を明らかにし、“定められた評価システム”によるPDCA(Plan-Do-Check-Action)管理を実施することにより、労働上の事故や災害、健康被害の危険性を未然に防止することを目的とした国際規格です。

今後も、福崎工場では労働安全衛生マネジメントシステム、サステナビリティ(持続可能性)の考えに基づいた環境リスクの低減および環境への貢献と経営の両立を目指す環境マネジメントシステム(国際規格「ISO14001」)、そして、企業・商品・サービスの質を高め、真の顧客満足に応える「マンダム品質マネジメントシステム」の3つのマネジメントシステムを運用し、継続的な運用と相乗効果を図ることにより、生活者・社会・環境・従業員に配慮した操業に努めてまいります。

福崎工場での労働安全衛生と環境保全に関する集合教育の様子

福崎工場全体集合教育として、1日間生産を停め福崎工場で従事する全社員に向けて実施しています。基本的な教育テーマは、福崎工場運営の基盤となる「安全」「品質」「環境」とし、背景や事象、実際に発生した案件の共有等を再確認し、運用ルールの周知・遵守の再徹底を行っています。さらに、マンダム全体で行う「機密情報保持教育」や「考働規範教育」などを盛り込み、コンプライアンス・規則遵守風土づくりに取り組んでいます。 この集合研修は年1回の頻度で実施され、福崎サイトの全社員が視聴できる環境を整えています。PC環境のない社員には会議室で視聴教育を行い、PC環境のある社員は、定められた期間内に各自で動画視聴による教育を受けます。

マンダムグループ「安全・安心の日」の制定

わたしたちは、2015年7月10日に発生したインドネシア連結子会社PT Mandom Indonesia Tbkでの火災事故の重大性​を真摯に受け止め、「事故調査対策委員会」の最終報告にて提言された再発防止策などを参考に、今後、このような事故が発生することがないよう、「安全・安心」な事業活動に継続的に取り組んでいます。

わたしたちは、「安全は全てに優先する」という考えのもと、再発防止にむけてプロジェクトならびに各製造現場において取り組んでいますが、この事故を大きな教訓とし、風化させないためにも、毎年7月10日をマンダムグループの「安全・安心の日」と制定し、事故の犠牲者の慰霊はもとより、グループにおいて改めて「安全・安心」を見つめ直す機会といたしました。

わたしたちの「安全・安心」を阻害するものは、製造現場など機械や危険物を取り扱う職場のみではありません。各オフィスや営業現場など、製造以外の職場においても存在するものです。よって、「安全・安心の日」には、社員一同が黙祷を捧げるとともに、その週を各職場の「安全・安心」に対するリスクを考え、話し合う一週間としました。その内容については、トータルリスクマネジメント委員会で集約し、それぞれの課題や対策を関係する組織体に落とし込んでいます。

インドネシア連結子会社PT Mandom Indonesia Tbkでの火災事故発生について

2015年(平成27年)7月10日に、当社のインドネシア連結子会社であるPT Mandom Indonesia Tbkにおいて発生した火災事故により、お亡くなりになりました現地社員に対し、ご冥福をお祈り申し上げ、ご遺族に対し心よりお悔やみ申し上げますとともに、負傷された現地社員に対しては、一日も早いご回復をお祈り申し上げます。また、近隣の方々をはじめ、多くの関係者の皆様にご迷惑、ご心配をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます。

■ウェルネスSTEP2:心と身体の健康づくり

STEP2では、社員の健康に対する意識レベルが向上し、健康経営への参画意識向上と基盤形成が実現できている状態を目指します。 そしてこの実現に向けて、特に社員の「プレゼンティーズム」の解消に軸足を置き、産業医や保健師と連携しながら、社員のヘルスリテラシー向上を目的とした包括的な取り組みを進めていきます。 STEP2における主な取り組みは以下の通りです。

長時間労働改善に向けた取り組み

特に長時間労働の是正に関して、マンダムでは社員の健康の質を高めるうえでの重要課題の一つと捉えており、実際に一部社員の長時間労働の常態化の実態が判明しています。 マンダムでは、長時間労働を是正し十分な睡眠時間を確保できるようになることで、社員一人ひとりのプレゼンティーズムを低減し、その結果業務生産性を向上させることができると考えています。 また、削減された労働時間以外の時間を更なる学びやリスキリングの時間に充てることで、社員一人ひとりの働きがいや生きがいの向上にも寄与できると考えています。

そのため、この長時間労働に関する設定指標として「2027年度までに、全正社員(管理職を含む)平均における一月あたりの時間外労働時間10時間以下の達成」を掲げ、この実現に向けて取り組んでいます。

直近では、主に次のような取り組みを実践しています。

  • ・経営層を巻き込んだ時間外労働削減の取り組み推進に向けた、上位会議体における時間外労働時間に関連する実績データの月次報告
  • ・業務の繁閑期等の部門特性を踏まえた、部門長を中心とした部門別の時間外労働削減に対する課題検討と解決策の実践

「心と身体の健康づくり」のその他制度・取り組み

2023年度実績
健康診断および
人間ドック助成金制度
法令に基づく定期健康診断の実施、および35歳以上の社員を対象に人間ドックを推奨し助成金制度を導入しています。一般健診の場合は全額会社負担、外部人間ドックの場合は45,000円まで会社が負担しています。 頻度:年1回
(一般健診)7~11月
(外部人間ドック)6~12月
受診率は、マンダムグループ 人的資本関連データをご確認ください。
ストレスチェック結果に基づく高ストレス者への取り組み EAP(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)団体と協動でストレスチェックを行い、結果は本人にフィードバックするとともに、産業医・保健師連携のもとで個人特定できないように部署ごとでの集計・分析を実施しています。その中で、高ストレス状態にあると推定された社員に対しては、産業医・保健師面談の受診を推奨し、プレゼンティーイズムの低減に役立てています。 頻度:年1回(9月)
受診率は、マンダムグループ 人的資本関連データをご確認ください。
産業医、保健師との取り組み 各拠点(本社、日本橋・青山、福崎工場)の産業医による職場巡視と月1回開催の安全衛生委員会への参画を通じ、職場改善を実施していただいています。 また、重症化を未然に防ぐために2021年度より本社にて保健師を採用し、産業医と連携して、健康指導などプレゼンティーイズムの低減に向けた様々な活動を進めています。 頻度:随時
産業医:3名(本社 /日本橋・青山/ 福崎工場 各1名)
保健師:1名(本社)
健康指導・・・本社産業医、保健師が対応(オンラインでの指導含む)
インフルエンザ予防接種費用への助成 毎年のインフルエンザの流行拡大を未然に防止し、社員およびその家族の健康管理を支援するため、健康保険組合のインフルエンザ予防接種補助事業として、接種費用の一定額を補助しています。 頻度:年1回(10月~1月の間)
「Doスポーツ制度」を通じた健康維持への費用助成 スポーツを通じた社員の身体と精神の健康増進やストレスの発散によるプレゼンティーズムの低減をはかるとともに、社員同士の相互理解を深め、健全な職場環境の醸成に寄与する事を目的として、スポーツイベント1回あたり4,000円を上限として助成金を支給しています。 頻度:随時
※一人当たり年間6回まで(スポーツジムは年間12回まで)
喫煙率の低減施策 標準就業時間内について休憩時間を除き会社施設内を禁煙とし、禁煙外来利用者に対して受診費用を助成することで、社内喫煙率の低減を目指します。 頻度:随時
治療と仕事の両立支援 社員が治療を受けながらも安心して働けるように、各種支援制度をまとめた「治療と仕事の両立支援ガイドブック」を発行し、相談窓口を開設しています。 頻度:随時

健康経営の取り組みに関する実績については、下記も合わせてご確認ください。

■ウェルネスSTEP3:働きやすさ

STEP3では、マンダムグループの人的資本経営の取り組み観点の1つである「自律協働型ワークスタイルの実践」と連動し、社員の身体的な健康にとどまらず、風通しの良い風土のもと、社員同士が積極的にコミュニケーションを取ることができる環境を構築することにより、社員一人ひとりの心理的安全性が保たれた職場環境が実現できると考えています。 このような働きやすい職場環境づくりに向けて、マンダムでは次のような取り組みを行っています。

企業理念の共有を通じた自由闊達な風土醸成

マンダムグループでは企業理念におけるMANDOM SPIRITに「自由闊達」を掲げ、上下関係にとらわれない風通しの良い風土の中で自由に発言や考働することを大切にしており、心理的安全性が担保された環境のもと、社員一人ひとりがイキイキと活躍できることを重要視しています。 そのため、マンダムグループにおける企業理念を正しく理解・共感し、これに基づく考働を実践していくことを目的として、毎年理念共創ワークショップを実施しています。 これらの取り組みに関する詳細については、「企業理念と人財理念の共有と実践」のページをご確認ください。

社内におけるコミュニケーションの活性化

マンダムでは、社内における社員同士のコミュニケーション機会を創出し、心理的安全性が担保された環境を通じてコラボレーションが生み出しやすい社員の関係性づくりに向けて、様々な取り組みを推進しています。 これらのコミュニケーション活性化の取り組みに関する詳細については、「自律協働型ワークスタイル」のページをご確認ください。

仕事と育児・介護の両立支援

マンダムでは、社員の出産・育児や介護といったライフイベントと仕事の両立を支援するため、各種法令に基づいた取り組みに留まらず、社員一人ひとりがこれらのライフイベントによる制約なく、より安心して働き続けることのできる環境づくりに向けた制度や施策を導入しています。

また、社員がこれらの制度や施策をより活用しやすくするための取り組みや風土醸成を同時に行っていくことで、職場における心理的安全性が担保されるとともに、社員同士の協働に向けたコミュニケーションの活性化・円滑化にも寄与できると考えています。

一例として、マンダムでは社員が出産後に不安なく復職できるよう、妊娠中の女性社員とその上司、人事部門担当者の3者での出産前面談を2009年から導入しています。 また、近年の男性社員向け育児関連の関心の高まりを受け、出産・育児支援制度に関する理解促進を図ることを目的として、2019年から出産予定配偶者をもつ男性社員に対しても出産前面談を実施しています。

仕事と育児・介護の両立支援に関する制度・取り組みの詳細については、下表をご確認ください。

*以下の図はクリックで拡大します。

なお、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画については、厚生労働省が運営している下記のWEBサイトをご確認ください。

また、ワーク・ライフ・バランスの推進と男性がもっと積極的に育児に関わることができる職場風土づくりの一環として、2015年度から「 カエル!ジャパン 」(内閣府)と「 育MEN(イクメン)プロジェクト 」(厚生労働省)に参画し、社内キャンペーンをスタートさせました。

カエル!ジャパン 」のキャンペーンとしては、残業時間の削減や振替休日の完全消化と年次有給休暇の有効活用を全社員に呼びかけています
育MEN(イクメン)プロジェクト 」のキャンペーンとしては、男性が育児休業を取得しやすい職場風土づくりを全社員に呼びかけています。男性化粧品に強みをもつマンダムだからこそ、“かっこいいパパ”をサポートしてまいります。

■ウェルネスSTEP4:働きがい

会社が新たな価値を生み出し続けるためには、社員一人ひとりが個性や強みの発揮を通じて、最大限の成果を創出してもらうことが重要です。そしてこの実現に向けて重要となるのが、社員一人ひとりの「働きがい(ワーク・エンゲージメント)」を高めることであると考えています。そのためSTEP4では、社員が自身の職務に積極的に取り組み、担当職務の意義を自ら見出すことで働きがいを感じ、イキイキと活躍できる状態を目指していきます。

権限委譲の推進

昨今のVUCA時代において、マンダムが更なるお役立ちの拡大に向けてイノベーションを継続的に生み出すためには、権限移譲を通じて、社員一人ひとりが自律的に職務を遂行し、様々なことにチャレンジできる環境づくりが必要不可欠であると考えています。そのためマンダムでは、社員一人ひとりの働きがい向上の観点から、積極的な権限移譲を推進しています。

権限移譲に関する取り組みの詳細や、その他ウェルネスSTEP3働きやすさおよびSTEP4働きがいの向上にむけた具体的な制度や取り組みについては、「自律協働型ワークスタイル」のページも合わせてご確認ください。

■ウェルネスSTEP5:生きがい

マンダムグループでは、STEP1の「労働安全衛生」からSTEP4の「働きがい」に向けた取り組みを推進することで、社員一人ひとりが身体的・精神的・社会的に健全で良好な状態であるウェルビーイングを実現することができると考えています。 また、今後の人生100年時代においては、仕事における「働きがい」だけではなく、人生全体における「生きがい」を更に高めていくことが重要と考えており、この「生きがい」の観点も踏まえ、各STEPごとの取り組みを進化させていきます。

上記取り組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で選出する「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に認定されています。